Mirage [CD+DVD]
AiRI / Mirage [CD+DVD]
(発売予定日:2014年7月9日)


LφVEST [CD]
SCREEN mode / LφVEST [CD]
(発売予定日:2014年7月23日)



「アニソンは、みんなを元気にする音楽です。みんなの街に元気を届けに行きたいと思います」




  

 5月10日、東京ドームシティ・ラクーアガーデンステージで開催されたフリーライブイベント「おいでませ!ランティス祭り!キャラバンイベントin TOKYO」は、ステージ上で「勇者王誕生!」をはじめとするアニメソングや特撮ソングで有名なアーティスト・遠藤正明がこのように語った通り、そんなレーベルメイトたちの思いが詰まった充実のイベントであった。


 株式会社ランティスとは、日本国内でも珍しいアニメソング・ゲームソングなどを中心に扱う音楽レーベルであり、影山ヒロノブら実力派シンガーを擁するJAM Projectをはじめ、スフィア、茅原実里、GRANRODEO、OLDCODEX、ヒャダイン、ZAQなどそうそうたるアーティストが名を連ねている。


 そんな同社は今年7月から11月にかけて、東海・関西・関東・東北の全国4か所において計9日間にわたるライブフェス「15th Anniversary Live ランティス祭り2014 ~つなぐぜ!アニソンの"わ"!」(通称・ランティス祭り2014)の開催を予定しており(うち東北以外は野外ライブとなる)、今回のイベントは福岡・広島で先行して開催されたステージに続いて、そのランティス祭り2014の盛り上がりを一足先に体感できるフリーイベントとなった。


 会場には多くのアニソンファンが集結。さらにステージの盛り上がりに興味を持った通行者が次々と足を止め、辺り一帯を巻き込む盛り上がりをみせていた。




■アニソンのパワーが詰まったアッパーチューン連発!


 まず一番手に登場したのは、JAM Projectの盛り上げ部長こときただにひろし。得意のハードロックチューン「Divine love」(アニメ『セイント・ビースト ~光陰叙事詩天使譚~』オープニング)で、「かっこいいアニメソング」を見せつけたかと思うと、特撮作品『レスキューファイアー』エンディング・テーマ「レスキュー体操」では、サンバのリズムに乗せて軽快なステップを披露。観客も一緒に歌う一幕もあり、「みんなで歌えるアニメソング」の楽しさを身をもって体験させてくれた。


 アニメソングの持つ振れ幅の大きさ。そして、エンターテインメント性を示してくれたきだたに続けとばかりに、若手の人気アーティストが続々と登場する。エモーショナルなハイトーン・ボーカルが魅力のAiRIは、パワフルなロックサウンドに乗せて『ガンダムビルドファイターズ』エンディング・テーマ「Imagination > Reality」、『TARI TARI』オープニング・テーマ「Dreamer」を熱唱。


 昨年11月にデビューしたばかりの男性ユニット・SCREEN modeは、男性シンガー・DAIGOが声優を務めることでも話題を呼んでいる7月スタートの新作アニメ『LOVE STAGE!!』オープニング・テーマとなることがすでに発表されている、疾走感満点のロック・ポップチューン「LφVEST(ラヴェスト)」をいち早くフルサイズで披露した。田村ゆかりなどの楽曲を多数提供するギタリスト・雅友と、伸びやかな歌声を持つ勇-YOU-。まだデビューして半年という二人だが、そんなことなど感じさせない堂々たるパフォーマンスを繰り出し、多くの観客の注目を集めた。


 先日、ライブレポートを掲載したChouChoも、この日のステージに参戦した。彼女を一躍スターダムに押し上げたヒットチューン「優しさの理由」(アニメ『氷菓』オープニング)がスタートすると、やはり会場のテンションも急上昇。アニソンの持つパワーと、一体感を示すかのような盛り上がりにステージ周辺は包まれた。間奏での「ハイ! ハイ!」というおなじみの掛け声が、晴天の中に響き渡る光景は痛快ですらあった。


■人気ナンバーの登場にファンも感動!


 イベントは早くも終盤に突入。ここでグッと会場の空気を引き締めたのが遠藤正明だ。きただにひろし同様、JAM Projectメンバーでもある彼は、その分厚い胸板からもわかるように驚異の肺活量を武器に、アニソン業界随一のロングトーンを誇るパワーシンガーだ。この日も、ガツンとしたロックサウンドがその声にマッチする『遊戯王5D's』オープニング・テーマ「BELIEVE IN NEXUS」で観客を圧倒してみせた。しかし彼の持ち味は、情感たっぷりに歌い上げるバラード曲でこそ本領を発揮するのだ! と個人的には思う! ということで、この日イチオシのアクトが、次に披露した「もののけ姫」である。この曲はご存じスタジオジブリの映画『もののけ姫』主題歌のカバー曲。原曲は、米良美一の透き通るようなカウンターテナーが神秘的な雰囲気を演出していたが、遠藤バージョンの「もののけ姫」はとにかく力強い。と同時に、むせび泣く男の哀愁も感じさせる仕上がり。原曲の持ち味を生かしつつ、完全に自分の歌として昇華した「もののけ姫」には、それまで拳を上げて盛り上がっていた観客も、直立不動でただただ聴き入るばかりであった。


 トリを務めるのは、アニソン界の歌姫・栗林みな実だ。「ラクーアのステージでいつか歌いたいと思っていた」と語る彼女は、その喜びを表現するかのように満面の笑顔でステージに立つ。そして、『機動戦士ガンダムAGE』エンディング・テーマ「君の中の英雄」、『はたらく魔王さま!』オープニング「ZERO!!」と、彼女の爽やかな歌声を生かしたアッパーチューンを続けて披露。アニメファンの中でも人気の高い楽曲だけあって、その盛り上がりもこの日最高のものとなった。


 最後は出演者一同がステージに登場し、トークセッションが行われた。ここでは、飛び入りでmilktubのボーカリスト・bambooも登場。なぜか満場のブーイングで出迎えられ、まんざらでもなさそうな彼は、「出オチ感満載で出ます」とランティス祭りにかける意気込みを語り、会場の笑いを誘った。


 そして、遠藤正明は冒頭のメッセージを会場に送り、出演者一同でアニメソングの素晴らしさをこれからも世に発信していくことを誓い合った。無料イベントながら、全6アーティスト。時間にして1時間強という、非常にぜいたくなイベントとなった「おいでませ!ランティス祭り!キャラバンイベントin TOKYO」。この日のステージは、ランティスが「ランティス祭り2014」にかける意気込みを十二分に感じさせる内容であった。


 それにしても屋外で聴くアニメソングというのも、実に新鮮! アニメソングのライブというと、ライブハウスやホールなど屋内で催されることが多かったが、この日のイベントを通じて屋外ライブの解放感と快感に目覚めたアニソンファンも少なくはなかったはず。無料ライブでここまで満足度の高いステージを見せてくれる彼らが、本番ではどれほどすごいパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。期待せずにはいられない!
(取材・文/有田俊)


■「おいでませ!ランティス祭り!キャラバンイベントin TOKYO」セットリスト
1.Divine love(きただにひろし)
2.レスキュー体操(きただにひろし)
3.Imagination > Reality(AiRI)
4.Dreamer(AiRI)
5.LφVEST(SCREEN mode)
6.月光STORY(SCREEN mode)
7.優しさの理由(ChouCho)
8.Starlog(ChouCho)
9.BELIEVE IN NEXUS(遠藤正明)
10.もののけ姫(遠藤正明)
11.君の中の英雄(栗林みな実)
12.ZERO!!(栗林みな実)


■ランティス祭り公式サイト
http://www.lantis.jp/15th/


http://otapol.jp/2014/06/post-1098.html




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